インタビュー

新しい挑戦に取り組む経営者や、一歩先に中小企業に転職し、新たなキャリアを築いている先輩転職者のインタビューをご紹介します。


多様で豊かな日本酒文化を未来に引き継ぐ。日本酒業界に革新を起こす挑戦とは。(ナオライ株式会社)

- DRIVE REGIONS編集部

人口約30人の小さな離島が産み出す三角島檸檬と日本酒を掛け合わせたスパークリングレモン酒MIKADOLEMON(ミカドレモン)。「日本酒を地方で造って世界に広げたい」と熱い想いを持つFounder CEO 三宅紘一郎氏をはじめとするメンバーで構成されるNaorai inc.が仕掛ける新商品です。

世界に日本酒を広めるためには?三宅さんの挑戦についてお伺いしました。

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「DRIVE REGIONS 転職フェア」

2016-01-29 掲載

キーワード :

ナオライ株式会社 Naorai inc. Founder CEO 三宅紘一郎氏

-これまでのご経歴について教えてください。
1983年生まれで、広島県出身です。親族が159年続く老舗の酒蔵を営んでおり、幼い頃から日本酒に慣れ親しんで育ちました。そうした環境で育つ中で感じたのは、40年間で1/3の規模に縮小した日本酒業界への危機感です。例えば日本酒業界は私が生まれた1983年には2531社ありましたが、2008年は1610社となり、25年で921社が業務を停止、今後更なる縮小が予想されています。

若者の日本酒離れが叫ばれる中、今後は日本酒業界はもっと厳しくなっていくのではと感じていました。また、昔ながらの酒蔵の中には「酒を造るということだけしていれば良い」という考え方で経営しているところもあります。「単にアルコールを売るのではなく、時代に合わせて自分たちが提案出来ることを考えなければ」という風に感じていました。

-そうした流れから「日本酒を海外に広げる」ことをミッションとして上海での法人設立に踏み切ったとお伺いしています。上海での事業について教えてください。

上海では、ミヤケアジアマーケティング(三宅(上海)商務信息諮詢有限公司)という法人で活動を行ってきました。上海人のきき酒師のメンバーと一緒に進めています。目指すは”酒を通じて日本の文化をアジアに伝える”こと。

-上海での日本酒の反応はいかがでしたか?

そもそも日本酒を目に留めてもらうところから苦戦しました。日本酒に限らない話ですが、興味がないものは視界に入ってこないんですよね…。なので、日本酒に興味がない人にアプローチするためにイベントの開催やコミュニティづくりにも力を入れてきました。イベントだったら、日本酒に関心が無くても「この人が来るなら行きたい」と思って来て、同時に日本酒に興味を持ってもらうということもできます。

そんな風に海外の方に日本酒を飲んでもらい、様々な意見を聞く中で「レモン」と「スパークリング酒」の反応が好評だったこともあり、これならいけるのではないかと考えました。

地元の広島県は実はレモンの生産量が日本一なんです。防腐剤が使用された輸入レモンが多く流通する中で、広島県産のレモンは皮のまま食べられるレモンであり、食の安全が叫ばれる昨今においても自信を持って使用できるレモンです。

また、親族の酒蔵「三宅本店」の熟練杜氏が創る日本酒。これは159年の伝統が受け継いできた日本酒は、広島県下の品評会のみならず、全国新酒鑑評会でも数々の賞を受賞してきました。

海外に売り込むには、「この商品しかない特徴」が必要になります。日本一のレモンを使い、老舗酒蔵の確かな技術で製造した、世界に誇れる最高級の日本酒。これならいけると思い、スパークリング酒MIKADO LEMON(ミカドレモン)が生まれました。また商品の誕生と同じくして、ナオライ株式会社を創業しました。広島県の離島・三角島(みかどじま)で作られた「三角島檸檬」を使用しています。

図1

-海外展開をされていた中で、日本での展開に踏み切ったのは何故ですか?

一番は、「もっと生産者に近づきたい」と考えたからです。海外でものを売るには、ニーズに合わないものをごり押しするよりは、「これなら売れる」と思うものを創る方がいい。そこから、レモン農家と提携出来ればいいなと思って広島県の三角島を回っていたところ次の年から農家を続けられないので続けられる人を探しているという方に出会ったんです。

結局、その方の畑をお借りして、自分たちで三角島檸檬を作っていくことになりました。最初から農園を持とうと思っていたのではなく、三角島の人たちとの出会いがあって今の形になっています。

日本酒は、昔から「人が集まるコミュニティ」には欠かせないものでした。祭りや儀式などにも使用されてきましたし、お酒を囲んで作る場は単に食事をする場にとどまらず、コミュニティが盛り上がるために一役買っていたともいえます。こうした場づくりに重要な役割を果たす日本酒が、徐々に存在意義を失ってきているように感じるのです。すごく価値あるものが失われていく残念さ、無念さ。だから、本当に価値あるものを残していくためにできることをやりたいNaorai inc.にはそのような想いがあります。

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-自社で栽培してまで地域の産品を活用するというのは、どのような思いからですか?

先ほども申し上げた「時代に合わせて、自分たちが出来ることは何か」を考えると、その一つに「地域の産物との連携」があるかなと思います。

このMIKADOLEMONは、三角島檸檬を使って世界に通用する商品にしようとしています。MIKADOLEMONが成功したら「地方で作ったものを世界で展開する。」というモデルを作って、三角島檸檬に限らず、日本全国で展開することが出来る。そう考えています。三角島檸檬は、その案件第一号なんです。

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-今回の求人では、どのような人と働きたいですか?
 (※ナオライの求人票はこちらこちら

「世界に広がるもの」を一緒に作っていける人、そんな人と仕事がしたいですね。あとは、私自身は突っ走ることが得意なので、数字に強い人だとなお嬉しいです。でも一番は「価値があるものを後世に繋げたい」と強く思っている人。

それと、スパークリング酒MIKADO LEMONは、「挑戦する人」に飲んでもらいたいと思っています。スタートアップや何か新しいことにチャレンジしている、そんな人たちが自分たちがつくる酒を囲みながらで「どうやったら社会は変わるか?」という話をしている時には必ず飲むお酒。そんな風景が当たり前になっていったら面白いなと思います。

「多様で豊かな日本酒文化を未来に引き継ぐ」ということに向けて一緒に挑戦してくれる方のエントリーをお待ちしています。

編集部よりお知らせ

経営者と直接会える機会:本記事の企業に実際に会えるマッチングイベントを開催!詳細は下記よりご覧下さい。

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現地を訪問!三角島CAMP for Young

実践型・地域(島)暮らしアイディアソン「三角島CAMP for Young」
ナオライ株式会社では、記事内でご紹介した三角島に実際に訪れ、魅力を知ることが出来るツアーも実施しています。瀬戸内海に浮かぶ、人口わずか30人の小さな島、三角島(みかどじま)で行う二泊三日の実践型・地域(島)暮らしアイディアソン「三角島CAMP for Young」が現在参加者募集中です。ご関心ある方はぜひこちらをご覧ください。


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