インタビュー

新しい挑戦に取り組む経営者や、一歩先に中小企業に転職し、新たなキャリアを築いている先輩転職者のインタビューをご紹介します。


「糸引き」が少ない納豆?新商品企画で海外に納豆を売り込め!(金砂郷食品株式会社)

- DRIVE REGIONS編集部

2016年1月30日(土)に行われる「DRIVE REGIONS 転職フェア」

本フェアに出展する金砂郷食品株式会社 代表取締役 永田 由紀夫氏にインタビューを行いました。地域に根差した企業が目指すものとは?日本独自の食文化である納豆を海外に展開するに至ったきっかけをお伺いしました。

2016-01-29 掲載

キーワード :

金砂郷食品株式会社 代表取締役 永田 由紀夫氏

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-事業内容について教えてください。
当社は、茨城県常陸太田市に本社を置く、日本の納豆メーカーです。

日本の納豆市場は、ここ10年でマイナス20%と急激に縮小しています。さらには、人口減少で更に縮小が予想される中で、新しい市場の開拓が急務の状況です。しかし、食品は「ブランド力」がある商品が売れるので、新しい市場に打ってでるとしても、何か「独自色」が強いものを創らねばなりません。そこから「他社がやらない商品」を創ろうと思い、試行錯誤を繰り返してきました。

その中で生まれてきたのが、糸引きが少ない納豆「豆乃香」です。糸引きが少ないので、海外の方にも好まれる商品となりました。

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-「豆乃香」はどのような経緯で生まれたのですか?
茨城県内に海外への輸出の草分け的存在の納豆メーカーがあるのですが、アメリカでの納豆の食べられ方を見たのがきっかけでした。アメリカの方は納豆は食べないことはないのですが、一度水で洗ってねばねばを取ってからサラダにかけて食べるんですね。それを聞いて、「結局、今のままの納豆では、海外展開したとしても海外在住の日本人しか食べない」というふうに感じました。

「なんとか、海外の人に納豆を食べてもらいたい。」そのように思い、茨城県の工業技術センターなどに技術的な相談をしながら、商品開発を進めたんです。納豆は糸引きもありますし、独特のにおいもありますので、加工するにも非常に難しいですね。このプロジェクトをスタートした時は、そうした難しさもあることから逆に「これは面白いぞ」と思いました。コロンブスの卵のような、逆転の発想や普通とは違うアプローチを考えていかなければならないプロジェクトだったからです。

-商品開発には、様々な苦労があったことかと思います。どうしてそこまでの熱意をもって取り組めたのですか?
他の都道府県の人が成功したら、悔しいですよね。「納豆といえば茨城」というプライドもありますし。昔ながらの納豆にだけしがみついていて、茨城の産業としての納豆がなくなったらどうするんだ、と。

だから、茨城の納豆メーカーこそが取り組まないといけないものだと思いました。また、海外に本気で持って行くには、「海外の人に受ける納豆」づくりは必須です。これをやらないといけないと強く感じて茨城県内の他の企業にも呼び掛けて、全7社でこのプロジェクトをスタートしました(現在は8社)。

先日は、TV番組「ガイアの夜明け」や「クローズアップ現代」にも特集されたり、少しずつ、認知が高まってきているように思います。

海外事業でいくと、5年後ぐらいまでに自社の売上の1/3程度を海外売上にしたいと思っているので、今年の4月から海外事業部も新設予定です。ヨーロッパ、北米、東南アジアを中心に輸出していきたいと思っています。

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-地域に根差した商品も作っているとお伺いしました。どのような商品ですか?
海外に向けてだけではなく、地域活性化商品として「しあわせの常陸野和っふる」という商品も作っています。「納豆を使ったワッフル」という新しいお菓子です。元々は、茨城県の新しいお土産を創ろうとアイディアを募った「茨城県北新メニューコンテスト」で優勝したアイディアがベースになっています。日立市の主婦の方が考えたアイディアだったのですが、優勝したにも関わらず、納豆を使っていると普通のお菓子屋さんでは製造が出来ないんです。においも他の素材についてしまいますし、使用を嫌がられることが多くて。

当社は当社で、「常温で販売できる商品」を作りたいと思っていました。納豆はどうしても冷蔵で販売しなければならないので、そうではなく、常温で販売できる商品を自社で製造したかったんです。

そのタイミングで、ご縁があって「納豆を使ったワッフル」を当社で製造できないかという打診があり、設備投資してお引き受けすることにしました。

常温で販売でき、納豆を使っている和風ワッフル。これは海外の方にも売れるだろうと思っています。これから日本は、ラグビーのワールドカップやオリンピック・パラリンピックなど、インバウンドで海外のお客様がたくさんいらっしゃいます。このタイミングで、納豆を使った面白いお菓子をお土産として持って帰ってもらい、海外でも納豆を広めるきっかけになったらいいなと思っています。

-お話をお伺いするだけでもわくわくしますね。組織風土などで、気を付けていることはありますか?
正社員・パート・アルバイト関係なく、なるべく会社の状況をオープンにするようにしています。オープンブックという、自社のあらゆる経営指標をすべての従業員に開示するシステムを導入し、月に1回、従業員に会社の状況を伝える機会を設けているんです。社員だけではなく、パートやアルバイトも参加できるというところが特徴的だと思います。パートから社員になったメンバーもいるので、そこに壁を作るよりもオープンにしたほうがいいだろうと思ってのことでした。

-自社の様子が分かることで、愛着と責任感を持ち続けることが
できそうですね。茨城で面白い仕事をしてみたい方にとっては魅力的な職場であると感じました。金砂郷食品に関心ある方はこちらの求人票をご覧ください。永田さん、ありがとうございました。

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