インタビュー

新しい挑戦に取り組む経営者や、一歩先に中小企業に転職し、新たなキャリアを築いている先輩転職者のインタビューをご紹介します。


【転職者インタビュー】仕事と趣味、両方が充実できる会社。地方で働く新しい仕事のカタチ

- 書き手:福岡移住計画

福岡のスタートアップ企業で、スマートフォンアプリのエンジニアを担当している、小宮大輔氏にインタビューを行いました。
小宮氏は、長崎県対馬市出身。東京の大手電器メーカー、テレビ放送局に勤務していましたが、2014年にイベントにて福岡で起業したカズワタベ氏と出会い、福岡に移住しつつ同氏のもとで働くことになりました。
環境が変わったことで、仕事にどのような変化があったのか。また、趣味を超え社会貢献にもつながっている個人の活動についてなど、お話を伺いました。

2016-03-05 掲載

キーワード :

ウミーベ株式会社 エンジニア 小宮 大輔氏

komiya

福岡を拠点にしたスタートアップ企業「ウミーベ株式会社」は、釣りが楽しくなる情報&ニュースサイト「釣報(ツリホウ)」と釣果共有カメラアプリ「ツリバカメラ」を開発・運営し、注目を浴びています。
社員数は3名という少人数の企業で、小宮氏は代表の右腕となり多忙でありながらも、福岡や対馬で自身の活動を展開しています。その働き方は、これから地方で働きたいと思っている人へのお手本になりそうです。

一度は経験してみたかったスタートアップ、不安は何もなかった

ー長崎県の対馬には高校卒業後、大学から東京へ行きそのまま就職されたんですね。
大学を卒業して、電器メーカーに就職しました。一度転職しています。二社目はテレビ局で、ゲームの開発をしていました。

ー東京から福岡へ移るきっかけは?
福岡は、対馬からも近く第二の故郷のように思っていました。30歳くらいには東京から九州へ戻りたいと思っていて、ちょうどいいタイミングで移住に関するイベントが開催されていました。東京で勉強したことを、持ち帰りたいと思っていたんです。

ーそこでワタベさんと出会い、アプローチされたんですね。
そうですね。音楽が好きでバンドをやっていた事など、共通する話題がありました。懇親会で話した後、2、3回東京でお茶して、彼の会社へ入社する事になりました。

ー福岡を拠点に事業を展開するという、ワタベさんの第一印象はどんなものでしたか?
やり手なんだろうな、起業家っぽいなと感じました。僕は自分自身で起業しようとは思わなかったですけど、スタートアップの企業で働いてみたいとは思っていたんです。新しいことを経験するのに、不安はありませんでした。

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カズワタベ氏(写真左):音大を卒業後、バンド活動、Grow株式会社創業を経て、福岡でウミーべ株式会社を創業。

東京ではやったことがなかったことを学ぶ

ー現在の仕事内容について教えてください。

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主に、釣果共有カメラアプリ「ツリバカメラ」の開発のディレクションや、タスクの管理などが今の仕事内容です。スマートフォンのアプリ開発を今まではやったことがありませんでしたが、今はそれに携わっています。以前の会社でやっていたブラウザー上でやるゲームとスマートフォンアプリ開発では、勝手が違って戸惑うことがありますが、新しい知識も学べて楽しいですね。

ー小宮さんも釣りは趣味ですか?
対馬出身ですから、釣りは子供の頃からずっとやっていました。好きな趣味ですが、東京にいる間はあまりやらなくなっていました。

ー福岡で仕事をすることになって、どんな気持ちでしたか。
釣りとITで面白いことをやれそうで楽しみでした。地方が生きてくる仕事で、いいなと。福岡で釣りの仕事をやれるのはバッチリだな、と思いました。

ー東京と比べて、働き方はどう変わりましたか?

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家でもできる仕事なので、かなりフレックスです。東京では出社時間、退社時間が決まっていて、それに合わせていました。でも、基本的に残業は大嫌いで、東京でもほとんどやっていませんでした。仕事をきちっと終わらせて帰るスタンスだけは、変わりません。
また、福岡や対馬で個人的な活動を多くやれるようになりました。仕事と個人的な活動、どちらも大事です。会社には迷惑をかけないように、休日にも自宅作業をするなど、仕事で結果を出すよう心がけています。

自分に合う環境を見つけて働く

ー今の場所で働く魅力を教えてください。

kankyo

何といっても、住環境がいいです。東京でも田舎の方に住むようにしていましたが、通勤に1時間以上、遊ぶ時も渋谷や新宿まで行くのに時間がかかりました。今は、自転車で移動できるし、車だと他の県にもすぐ遊びに行けますからね。
自分に合う環境を見つけるのは、大切だと思います。肩に力が入ったような、無理はしたくないです。東京にも好きな場所があるし好きな人たちも沢山いますが、生活に窮屈感があって、通勤は無機質に感じていました。

ー小宮さんは、ワタベさんをどのようにサポートされていますか?
裁量権はもちろんワタベにありますが、アプリ開発の提案以外に、人事や会社としての方向性の相談を受けることもあります。ウミーベは、何でも提案できて、決してやらされている感がない会社ですね。

ー小宮さんから見たワタベさん、身近で働くようになって第一印象から変化がありましたか?
基本的には変わりませんが、柔軟性やメリハリがあって、結果が出ればそれでいいというスタンスの人です。そこはすごく共感しています。普段は気さくな人ですよ。一緒に野球の試合を観に行くことなんかもあります。

個人の活動が、仕事に良い影響を与えていく、社会貢献にもつながる

ー仕事と並行して、さまざまな活動を行っていらっしゃいますね。

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東京にいるときから主宰している「ロックの夜明け」はライブイベントの制作チームで、スタートして今年で7年目になります。
http://rocknoyoake.com/

ー福岡発でも音楽イベントをやられてるのですよね?

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はい、「SEACOAST SOUNDS FUKUOKA」という野外音楽フェスの主宰をやっています。
福岡のロックシーンの発展を目的にした無料イベントなんですね。有名なバンドのライブに行くお客さんは、地元のバンドにはあまり興味を持っていなくて、地元のライブには行かないんです。地元の音楽にオープンに触れてほしくて無料にしていましたが、これからは良い音楽にきちんとお金を使う文化をつくっていきたいと思っています。
東京には、育っているバンドを自ら探すリスナーの存在があります。福岡でも、自らいいバンドを探していく、掘り出していく人が増えてほしいな、と思います。
http://s-s.fukuoka.jp/

ー確かに、音楽やアートにお金を使う文化を育てることは、福岡をさらに成熟させるように感じます。「テクノロジーとクリエイティブに関わる人々が集まる」ことを目標にした「明星和楽」の実行委員、これも興味深いイベントですね。

myojowaraku

テクノロジーと最先端技術とクリエイティブは、相性が良いものです。アートとプロジェクションマッピングなどプログラミングは密接な関係にあるものなんです。
http://2015.myojowaraku.net/

ーさらに、ウエブマガジン「ツシマト」の編集長を今年から始められましたね。

tsushimato

いやあ、いろいろやっていますね(笑)
ツシマトは僕の地元対馬の総合的な情報をまとめたサイトです。
対馬のグルメから観光までまとめて紹介しているメディアは今まで無かったので、対馬のことをこれで知ってほしいと思い始めました。
やりたいことは、まずやってみるというスタンスです。
http://tsushimato.com/

ーなるほど、失敗を恐れず、好きな活動に挑戦されていますね。
ワタベも同じだと思います。ピクタソンのようなデザイナー向けのイベント活動もやっていましたし、仕事が落ち着いたらまた音楽もやろうかな、と言っていました。
弊社のもう一人いる社員も、趣味にすごく力を入れています。会社として、仕事も趣味も両方あるのが健全な形なのではないかと思っています。
好きなことが仕事にも生きてくる。好きな事をやっている結果、良い影響は相互に広がっていくんですよね。

ー仕事と個人の活動を合わせ、大忙しですね。
今年の10月には、対馬でフェスをやる予定です(笑)。本人は忙しいと思っていなくて、楽しいですよ!忙しいと言っているうちは、忙しくないんです。

経営者を支える、マネージメントもできるように

ー経営者の右腕として、今後のやりたいことは。
これから社員が増えてくると思うので、エンジニアとして活動をしつつ、マネージメントもうまくできるようになりたいです。これからウミーベは、どんどんステップアップしていく会社だと思っています。

ー福岡の人材採用は、どのような状況なのでしょうか。
土木系の求人はあるけれど、IT系は少ない印象ですね。エンジニアも少ない、中小企業の人材も少ないですね。ウミーベでは、サーバーサイドエンジニアなど、募集していく予定です。もちろんデザイナー、フロントコーティングも社内に欲しい人材です。ウミーベは、Android版をリリースした今年からが勝負!
スキルがあって興味がある人は、是非ウミーベに問い合わせてください。

ー地方で働くことに関心がある読者へのメッセージをお願いします。
東京に行かないとやれない事もあるけれど、地方にいなければやれない事もあります。都市部中心的に考えるのではなく相互的に考えて、やらされているのではなく、自ら考えていけば良いのではないでしょうか。

ライターよりコメント

小宮さんは、東京でも、仕事とプライベートがきちんと分けられていました。そして、自ら考えて行動することを一番大事にしている人でした。
地方で働くことで得られる時間や環境という資源、これを有効に活用することで、人生を豊かにできる可能性も多く感じました。
自分自身に置き換えてみて、地方で働くメリットや社会的な活動を再考する機会を頂きました。ありがとうございました!


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