新日本ツーリスト株式会社 代表取締役 楠木泰二朗氏
Q.楠木社長は、29歳の時に現在の会社を継がれたとお伺いしました。社長に就任されるまで、どのようなお仕事をされていましたか?
元々、学生時代から「いずれは経営者になりたい」ということは漠然と考えていたんです。それならば、「遠回りするのではなく、最初から経営者として歩む」という道を選択すべく、親の会社である新日本ツーリストに新卒で入社しました。入社してからの転機でいくと、東京の新会社の設立に携わったことです。そこは、旅行関連のコンサルティングや、観光タクシーと旅行代理店を繋ぐネットワーク事業などをやっています。私はその中でも、「高速バス」を全国のバス会社に提案する事業に携わっていました。今でこそ、高速バスは盛んですが、当時は高速バスツは創成期で、全国にネットワーク化するべく、日本全国を飛び回っていました。なので、東京の企業にいたと言っても、結局東京にいる日はすくなかったですね。(笑)
この立ち上げの時が非常に「経営者」として勉強をさせてもらったなと思います。東京とローカルの企業では考え方が違うことも多く、「東京の考え方ややり方」を勉強する機会になりました。それと、同性代の経営者が多いことも東京の特徴でしたね。身近にそういう方がいることは非常に刺激になりました。
Q.その事業立ち上げに携わったあと、29歳の時に社長に就任されたのですね。現在、新日本ツーリストにいる社員の方はどんな方が多いですか?
旅行会社なので、半分以上がツアーの企画営業を担当しています。実は、中途採用の方でも旅行業の経験がある人はあまりいないんです。前職が証券会社の方もいます。
Q.そうなんですね!では、採用はどのような基準でされているんですか?
「仲間探し」という視点を重視しています。採用プロセスが当社は少し変わっていて、「一次面接」を社員が行うんです。一次面接には、僕も含めて役員は入りません。他スタッフが「この人と働きたい、仲間になりたい」と思ったり、「当社に非常に共感している」と感じた人が通過します。
その次が僕も含めた二次面接ですが、「一次面接を通過した人なら誰でも大丈夫!」と思っています。
Q.楠木社長自身の、採用の視点はどのようなものですか?
価値観は人それぞれあってもいいと思っています。ただ、見ている方向がみんなと同じかどうかが大切だなと。
あとは、「全てそこそこ良くて平均点が高い人」ではなく、何か突出している人がいいなと思っています。何かが120点で飛びぬけているような方。そういう方に来ていただけると面白くなりますよね・
Q.そうした方が生き生きと働ける会社というのは、会社としての器の大きさが見えますね。社内はどんな雰囲気ですか?
自分たちは、単に旅行企画を作っている訳ではありません。参加した方が訪問先を好きになったり、リピートしてくれるようにホスピタリティなどを意識して進めています。お客様は、四国内の方が8割、それ以外が2割ですが、グローバルのお客様も増えてきました。
Q.グローバルのお客様は、どういったところを希望されることが多いですか?
やっぱり、四国八十八か所や瀬戸内、直島などが多いですね。県外のお客様やグローバルのお客様に対応できるよう、今後のその部分は強化していかなければいけないと感じています。
Q.その一つとして、地域活性化事業部をこの3月から立ち上げされると伺いました。この事業部を立ち上げようと思った経緯はどのようなものですか?
今、国全体が「地域を活性化」しようと取り組んでいると思います。四国も例外ではなく、人口が減少したり「活性化する必要性」は高くなってきています。弊社は「旅行業」なので、「人を連れてくる仕事」なんです。つまり、本業そのものが地域の活性化に寄与できる仕事です。だからこそ、「地域活性化」を意識した企画を作ることが、「2回目、3回目と訪れたくなる地域の紹介」に繋がります。無理やり連れて行っても2回目はないですよね。だから、通常の観光パンフレットにはない「当社だから見つけ出せるローカルの魅力」を発見した企画をつくり、「人に会いに行く」ような企画を作って地域のファンを作っていきたいと思っています。
お金儲けではなく、持続的に回っていくためには「ビジネス」という側面で企画を回していくことも必要なことだと思っています。だから、当社の本業の一つとして実施していくことで、継続して責任をもって地域のために事業を動かしていきたいと思っています。
Q.最後に、簡単にメッセージをお願いします。
当社は、非常にフラットな会社です。細かい階級はなく、全員がミーティングでフラットに参加でき、また後輩社員は先輩社員がしっかりと助けながら仕事を教えています。また、地域活性化事業部の話の中でも触れましたが、当社が地域と関わっていくにあたって、「大手とは違う」切り口で、地域の魅力を打ち出していきたいと思っています。本業を通じて、人を地域に呼び込むことが出来るのが当社の面白さであり、今後は海外のお客様へのサービスも増えていく予定です。
当社のこうした方向性や理念に共感いただける方とぜひお会いできたらと思っています。